ライター:YOSHIE(国際中医薬膳師/漢方カウンセラー)
「眠れない」とひとことで言っても、様々なタイプがあります。
①なかなか眠れない(入眠障害)
②夢が多く、ぐっすり眠れない(熟眠障害)
③眠れてもすぐに目が覚めてしまう(中途覚醒)
他にも、朝早くに目が覚めてしまう、眠れる日と眠れない日がある、小さなもの音でも起きてしまうなどがあり、これらが慢性的に続くと身体がだるい、日中に居眠りしてしまうなど、日常生活に支障をきたします。このような状態を不眠ととらえます。
中医学では身体を肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)の5つの臓に分け、ある症状があった場合、それぞれの臓の関係を見てその症状がなぜ起きているのかという原因を理論立てて考えます。
つまり不眠もタイプごとに関係する臓は異なります。ただ、不眠の場合、どのタイプでも『心』は必ず関係しています。
「心は神明(精神・意識・思考など)をつかさどる」といわれ、眠りは心が中心となってコントロールしています。心が何らかの原因で興奮や緊張をすると心は不安定になり、眠りのコントロールがしにくくなります。それが不眠です。
睡眠には『心』の健やかさはとても大切なのです。
また、眠るためにはある程度の力(エネルギー、気)が必要です。「疲れているのに眠れない」というのは、まさにこのことです。疲れすぎて、眠るための力がないのです。
次のブログからは、「目が冴えて眠れない」「すぐに目が覚めてしまう」「眠いのに眠れない」などのさまざまな不眠タイプのお話をしますね。
どんな不眠のタイプでも、気分転換とリラックスは欠かせない!
ゆるダラ薬膳私は過去に10年ほど不眠だった時期がある。色々と考えすぎて明け方まで眠れないのはほぼ毎日だし、眠れてもすぐに目が覚める、疲れているのに眠れない、夢をたくさん見る、といった不眠タイプを経験している。
ただ、私の性格的なものもあるかもしれないが「眠たくなったら眠るだろう」「1日寝なくても死なない」とどこかで思っているところがあり、眠れないことに特に焦りはなかった。ただ、万年寝不足でいつもボーッとしていて、起きるタイミングが悪いと1日中、頭痛がしているということもしばしばあった。
私のよくあるパターンは、翌日に気になる仕事があったりすると、それを寝床でぐるぐると考えて眠れず、翌朝、寝不足・だるさをカバーするために朝から栄養ドリンクを飲んで無理やり覚醒させて仕事に向かうことだった。その栄養ドリンクに入っている多量のカフェインの影響でその日の夜も眠れず・・・。翌々日に2日分の寝不足が襲い、ひどい目にあうことも度々あった。まさに、不眠の最悪ループに入るのだった。
今思い返すと、私は本当に養生からかけ離れた生活をしていたと反省する。こんな不眠の不養生をしていた私の経験を活かすため、不眠の方にまず初めに確かに言えることはただ一つ。
「栄養ドリンクは絶対にオススメしない」・・・である。