躁うつ病とは、その病名からもお分かりの通り、気分がやたらと高揚する躁状態と意欲が低下して憂うつになるうつ状態、この正反対の心理状態を繰り返す症状のことを言います。そのため、双極性障害(2つの極がある)とも言われています。
躁状態になっていると上機嫌で饒舌、次から次へとアイデアが湧き出るようになるのでじっとしていられなくなります。ただ気持ちは高揚していても、気分が爽快ではありません。また、病気の自覚が本人にはないので、自分の思考や行動を異常とは感じません。
またうつ状態になっていると、否定的なものの見方に支配され、「憂うつな気分」や「気持ちが重い」といった抑うつ状態が1日中続き、それが長い期間見られるようになり「自分はダメな人間だ」と感じるようになります。普段ならなんでもなかったことでもこのような状態になってしまうと、つらさをより感じるようになり、悪循環を起こすようになります。その他にも、不眠である、食欲不振、何事にも興味が湧かないというような状態が続いている場合は、うつ病の疑いがさらに強まります。
先にも触れましたが、躁うつ病は躁とうつの二つの両極端の症状が繰り返されることを言います。ただ、ごく稀に正常な状態を挟むことなく、両極端の症状に切り替わることもあります。
このような症状は、3〜6ヵ月程度続き、また発症年齢が若いほど、躁うつ状態の期間は短いと言われていますが、再発の可能性は高いです。原因については、うつ病と同様に環境によるストレスや、元来の遺伝的要因など、様々なものが影響していると考えられています。
なお躁うつ病は2つのタイプ(双極性1型障害、双極性2型障害)に分類されます。双極性1型障害は周期的に躁とうつの症状を繰り返している場合で、双極性2型障害は躁症状の期間が短くて軽い状態とうつの症状を繰り返している場合です。
- 普段とは異なり以上に高揚した開放的な気分が続いている
- 1日数時間しか寝てないのに生活に支障が出ないと思える
- 自分が偉くなったように感じる
- いつもよりもお喋りになる、または喋り続けなくてはと感じる
- 考えが飛躍し過ぎていたり、いろいろな考えが次から次へと浮かんでくる
- 注意力が散漫である
- お金を浪費しがちである
双極性障害(躁うつ病)も薬物療法となりますが、使用するのは気分安定薬で、これは気分が大きく上下に乱れた状態を安定させる働きがあるので、躁状態・うつ状態共に有効です。なお、うつ状態の場合でも抗うつ薬は基本的には用いません。